第一回では、ファイルが限界を超えたことを示す五つのサインを挙げ、一つのファイルを対象にした五分間の演習で締めくくりました。実践された方は、いま一つのファイルについて書き出した答えをお持ちのはずです。今回はその演習を会社全体に広げます。どんな移行でも最も高くつく失敗は、移行の最中ではなくその前に起きるからです。間違ったファイルから始めてしまうことです。

理由は、あなたがシステムだと思っているものが、必ずしもあなたのシステムではないからです。公式のファイルがあります。書式が整い、承認され、会議で見せられるものです。そしてもう一つ、見た目はずっと劣るものの、誰かが毎朝開いて一日中作業し、あなたの意思決定の根拠となる数字が生まれるファイルがあります。後者こそが、誰もそう呼んだことがなくても、本当の記録システムです。今回の目的は、それを見つけることです。

そもそもなぜファイルは増えるのか

ある朝、会社には四十のシートが必要だと決める人はいません。数が増えるのは、新しいシートがどれも、作られた時点では最も手っ取り早い解決策だったからです。ある部署はメインのファイルにない項目が必要になり、横に小さなファイルを作りました。誰かが他の人の邪魔をせずに作業する必要があり、コピーを取りました。経営陣が別の形式のレポートを求め、他の二つのファイルからデータを引くファイルが作られました。一つひとつの判断は妥当です。しかしその総和は、誰も描いたことのない地図になります。

そして増え方が少しずつなので、会社もどのファイルがどのファイルにデータを渡しているのかを少しずつ見失っていきます。月次レポートが、担当者が何か月も前に更新をやめたシートからデータを引いていたり、二つのファイルが同じデータを持ち、各部署が自分のコピーしか更新していなかったりすることに気づきます。こうした目に見えないつながりがあるからこそ、棚卸しは単なる事務的な整理ではなく、飛ばせない工程なのです。

本当のシステムを浮かび上がらせる三つの質問

社内のすべてのファイルを網羅的に洗い出す必要はありません。仕事を支えているファイルと、そのコピーを抱えているだけのファイルは、三つの質問で切り分けられます。

  • 今日失われたら、明日の仕事が止まるファイルはどれか?これは棚卸し全体で最も強力な質問です。表向きの重要度ではなく、依存の度合いを測るからです。業務の言葉で問いかけてください。明日出社してそのファイルが消えていたら、それでも入荷、出荷、請求、顧客への回答ができるだろうか。答えを「できない」にするファイルはごくわずかです。そしてそれこそがあなたのシステムです。
  • 誰が毎日開いているか?月に一度開かれるファイルはレポートです。毎朝開かれ、一日の進行に合わせて書き込まれるファイルは業務記録です。毎日使われているという頻度は、そのファイルがプロセスの説明ではなく、プロセスそのものの一部になったことを示す最も確かな指標です。
  • 他のファイルの土台になっているファイルはどれか?流れの向きをたどってください。このファイルの数字はどこから来て、どこへ行くのか。他の三つのファイルにデータを渡しているファイルは情報源であり、その中の誤りは表に出る前に三倍に増幅されます。何にもデータを渡さず、どこからもデータを受け取らないファイルは、移行ではなく廃止の有力候補です。

三つの質問を当てはめてください。ただし、一人で答えを出さないでください。実際にそのファイルで作業している人に聞くことです。答えを知っているのは、ファイルを開く人であって、そのレポートを受け取る人ではありません。おそらく存在すら知らなかったファイルに出会うことになり、それが最も重要な発見の一つになるでしょう。

棚卸しでよく見つかるもの

棚卸しはリストを生み出すだけではありません。理由もわからないまま抱えてきた問題を説明してくれます。よくある発見は次の四つです。

  • 公式ファイルは実際に使われているファイルではない。丁寧に作られた承認済みのテンプレートは放置され、チームは実際の仕事の進め方に合った、もっと簡単な個人用コピーで作業しています。これは不正ではなく情報です。公式テンプレートが実際のプロセスと合っておらず、プロセスが勝ったということです。
  • 同じデータが二か所にある。同じ顧客リストや価格表が二つのファイルにあり、各部署がそれぞれ自分のものを更新しています。第一回で取り上げた、誰に聞くかで数字が変わる現象の直接の原因がこれです。長続きする解決策は、すべてのデータに書き込む場所をちょうど一か所だけ設けることで、誰もが見られる一つの情報源の背景にある原則です。
  • 今も時間を奪い続ける死んだファイル。二年間、毎週更新されてきたのに誰も読んでいないシートです。移行も改善もしないでください。誰が使っているかを尋ね、答えが返ってこなければ二週間止めてみて、誰かが問い合わせてくるかを見てください。
  • ファイルの外に保存された意味。一人にしかわからないコードが入ったステータスという名の列や、何も書かれていないのに至急を意味する色付きの行です。データはあっても、その意味はデータの中にありません。これが次回のテーマです。

Origami の視点

私たちはサウジアラビアの企業向けにシステムを構築するテクノロジー企業です。この種のプロジェクトで最初にお願いするのは、文書化された要件定義書ではなく、ファイルそのものです。乱雑さも、非表示の列も、例外も、すべてそのままの状態で。なぜなら、ファイルは会社が実際にどう動いているかを記録しており、文書はどう動くべきかを記録しているにすぎず、その二つのずれこそがプロジェクトの失敗する場所だからです。

私たちが推奨する順序は、ツールや範囲についてのいかなる決定よりも前に棚卸しを行うことです。重要なファイルがちょうど二つだとわかっている会社と、四十のファイルすべてを移す必要があると思い込んでいる会社とでは、まったく違う判断を下すことになり、その差はプロジェクトの範囲と期間に表れます。だからこそ私たちのサービスは、代わりを設計する前に、まず今あるものを読み解くことから始まります。データ移行と変革マネジメントについて述べたシステム導入を成功させる方法で示したのと同じ考え方です。

成果物:一枚のリスト

一枚の紙も生み出さない棚卸しは当てになりません。成果物は一ページ以内の表一つにまとめ、重要なファイルごとに四つの列だけを設けてください。

  • ファイル。実際の名前と実際の保存場所です。誰のパソコンか、どの共有フォルダか、どのアカウントか。保存場所を正確に書き出すこと自体が、多くを気づかせてくれる演習です。
  • 担当者。部署ではなく、名前のわかる一人の人です。一人の名前が見つからなければ、そのファイルには担当者がいないということであり、記録する価値のある発見です。
  • それに依存しているもの。そのファイルが止まったらどの業務が止まるのか、どのファイルやレポートがそこからデータを引いているのか。この列が、第四回で移行の順序を決めることになります。
  • バックアップの有無。はっきりと答えてください。ある(自動)、ある(手動で、名前のわかる人が実施)、またはない。答えが同じパソコン上のコピーであれば、それはバックアップとは見なしません。

このリストの行数が、今後のあらゆる移行の規模を決めます。そしてそれは通常、予想よりはるかに少なくなります。二つの特徴を併せ持つファイル、つまりそれがなければ仕事が止まり、しかもバックアップがないファイルは、他のどんな計画とも関係なく最優先事項です。そして何も依存していないファイルは、そもそも移す価値がありません。それを知るだけで、作業の半分が省けます。

次回以降

どのファイルがシステムなのかはわかりました。次は、それを移せる状態にしなければなりません。次回は移行前のデータクレンジングを取り上げます。同じ相手が別の名前で登録された重複、混在する日付形式、テキストとして保存された数値、そして誰も意味を知らない列です。土台にするルールは、色や誰かの頭の中に保存されている意味は、移行前にすべて文字で書かれた項目にしなければならない、というものです。その後、業務を止めずに続けられる移行の順序、続いて権限、さらにレポートへと進み、最後は移行後の最初の三十日で締めくくります。

出典