統一された顧客台帳は、どのCRMシステムでも最初に作るものです。顧客の氏名と番号、誰が担当しているか、顧客と会社の間で起きたことのすべてを一か所にまとめ、営業・カスタマーサービス・経営陣が同じ情報を共有します。第一回では、顧客が 4 つのポイントで失われ、そのうち重複と社員とともに去ることの二つは、この台帳がないことから生じると見てきました。全 7 回のCRMのデジタル化シリーズの第二回となる本記事では、最低限の項目を定め、重複コピーを防ぐ方法を示し、個人データ保護法(PDPL)第 4 条が定める五つのデータ主体の権利のうち台帳が支えるべきものを説明し、データの散らばり具合を測る 10 社の顧客を使った演習を紹介します。

顧客台帳とは何か、最低限何を記録するか

顧客台帳とは顧客一件につき一ページの記録で、権限のある社員なら誰でも開いて、この顧客が誰で、誰が担当し、今何を待っているかを知ることができます。よくある失敗は、誰も入力しない項目を何十個も用意して始めることです。半分は空欄のまま残り、チームは台帳を信用しなくなります。本当に必要な最低限から始めましょう。

  • 氏名と携帯電話番号。サウジ市場では特に携帯番号が台帳のキーになります。連絡の大半がWhatsAppと電話で行われるからです。
  • 会社名と都市(顧客が法人の場合)。先方の窓口担当者の名前も添えます。
  • 流入元:最初にどの入口から来たか。WhatsApp、電話、ウェブサイト、紹介など。
  • 関係の担当者:部署ではなく、社員一人の名前。
  • ステータス:見込み客、取引中の顧客、過去の顧客。
  • 最後の連絡日、次のステップとその日付。
  • マーケティングメッセージへの同意:同意したか、いつ、どのチャネルで。第 6 回で詳しく扱います。

この最低限は単なる運用上の選択ではありません。個人データ保護法第 11 条は、個人データの内容は適切であり、収集目的の達成に必要な最小限に限られなければならないと定めています。項目を追加するたびに「なぜこれが必要か」を問いましょう。

コピー三つではなく、台帳を一つに

重複コピーは不注意から生まれるのではなく、入口ごとに顧客をそれぞれのやり方で保存するから生まれます。営業担当は携帯にアブー・ファハドの名前で登録し、受付は紙に会社名を書き、Excelファイルには固定電話の番号しかない。一人の顧客に三つのコピーがあり、それぞれが話の一部しか知りません。さらに悪いことに、コピー同士が食い違います。こちらは古い番号、あちらは新しい住所で、どれが正しいのか誰にもわかりません。

重複を防ぐには、ソフトウェアより先に 3 つの明確なルールが必要です。

  • ひとつのキー。統一形式の携帯番号を、新しい台帳を作る前に必ず検索します。既にあれば、新しいコピーではなく既存の台帳を開きます。
  • 統合ルール。同じ顧客の台帳が二つ見つかったとき、どのデータを残すかを誰が決め、二つのコピーの履歴をどう一つにまとめるか。
  • データ責任者。社員それぞれの判断に任せるのではなく、一人が定期的に重複を確認して統合を承認します。

顧客リストが今Excelファイルにあるなら、どのシステムに移す前にも整理してください。さもないと重複も一緒に移ってしまいます。方法は移行前のデータ整理:そのまま移してはいけないもので解説しています。

顧客の履歴と、関係は誰のものか

氏名と番号だけの台帳は電話帳にすぎません。顧客台帳にするのは、そこに紐づく履歴です。会話、通話とその要約、送った見積り、納品した注文、苦情とその結末。顧客から電話があれば、社員は台帳を開いて経緯をすべて確認でき、顧客に最初から話してもらう必要はありません。

顧客ごとに関係の担当者は一人で、その名前を台帳に記載します。他の人が顧客に連絡しないという意味ではなく、返信が遅れたときに責任を持つ人がいるという意味です。担当者が退職や異動をする場合は、管理者の判断で台帳ごと新しい担当者に引き継ぎ、関係は個人ではなく会社に残ります。これがまさに、第一回で述べた「去る」ポイントを塞ぐ方法です。

データ保護法が台帳に求めること

個人顧客のデータは個人データであり、その権利を尊重できるかどうかは統一された台帳があるかどうかにかかっています。SDAIAのウェブサイトに掲載されている個人データ保護法第 4 条は、データ主体が、本法の規定および規則の定めるところにより、次の権利を有すると定めています(アラビア語の公式条文を当社が翻訳したものです)。

  • 知る権利。個人データを収集する法的根拠と収集目的を知らされることを含む。
  • 管理者が保有する自己の個人データにアクセスする権利。
  • 管理者が保有する自己の個人データを、読みやすく明確な形式で求める権利。
  • 管理者が保有する自己の個人データの訂正、補完または更新を求める権利。
  • 管理者が保有する自己の個人データのうち、必要のなくなったものの破棄を求める権利。

これらの権利を実務に落とし込むと、台帳は 4 つのことができなければなりません。会社が顧客について保有するすべてを一つの画面で表示すること、読みやすい写しを出力すること、変更の履歴を残しながら訂正・更新すること、そして第 18 条が認める範囲で不要になったものを破棄することです。第 14 条は、正確性・完全性・最新性を確認する十分な手順なしにデータを処理してはならないと付け加え、第 21 条は、データ主体の請求に規則が定める期間と手段で応じるよう管理者に義務づけています。顧客データが携帯電話や紙に散らばっていては、どれも不可能です。会話に関する要件は顧客との会話と個人データ保護法で詳しく説明しています。これは法的助言ではありませんので、詳細と施行規則はSDAIAまたは弁護士に確認してください。

権限:誰が見て、誰が編集し、誰が出力するか

顧客データを一か所に集めると、アクセスしやすくなります。つまり、保護は少なくではなく、より多く必要になります。第 19 条は、個人データを保護するために必要な組織的・管理的・技術的措置を講じるよう管理者に義務づけています。実務では、シンプルな分担から始めましょう。

  • 営業担当者は自分の顧客の台帳を閲覧・編集します。
  • 営業とカスタマーサービスの責任者は全員を閲覧し、担当の割り当てを変更します。
  • 出力・削除・統合はごく少数の人に限り、誰がいつ何をしたかを記録します。

データがファイルからシステムに移るときの権限設計は、権限:データがファイルを離れたら誰が何を見るかで扱っています。

Origamiの視点

私たちはカスタムシステム、アプリ、連携を構築するテクノロジー企業です。顧客管理のプロジェクトでは、フォローアップ画面やレポートより先に、まず顧客台帳から始めます。携帯電話、ファイル、メールにある既存のコピーを集め、キー、統合ルール、データ責任者をお客様と取り決めたうえで、整理済みのものだけを移行します。

台帳は、チームがすでに使っているWhatsApp、電話、ウェブサイトとつながるよう設計し、社員が書き写すのではなく連絡が自動的に記録されるようにします。権限と変更履歴も初日から備えます。私たちが構築するものはサービスページでご覧いただけます。

演習:10 社の顧客は何か所に記録されているか

一日で自分で実施でき、データの散らばり具合を正確に把握できる演習です。

  • 10 社の顧客を選ぶ。過去 3 か月に取引のあった、大小さまざまな顧客にします。
  • 記録されている場所を数える。営業担当の携帯、会社のWhatsApp、Excelファイル、メール、会計システム、紙。
  • コピーを比べる。氏名、番号、住所、担当者はどこでも同じですか。食い違いをすべて記録します。
  • 二つの質問をする。この顧客が今日、保有している自分の情報の写しを求めたら何時間かかるか。そして、この顧客との関係は実際には誰のものか。

顧客一社あたりの平均の記録場所数と、コピー間の食い違いの数が、出発点となる二つの数字です。平均が一か所を超えるなら、統一された顧客台帳が最初のプロジェクトです。

次回

顧客を受け止める台帳はできました。次は、どの入口から来た問い合わせもすべてそこに届くようにすることです。第 3 回「顧客の問い合わせ:すべてのチャネルを一つの受信箱に」では、WhatsApp、電話、ウェブフォーム、メールを一か所にまとめ、各問い合わせに担当者、ステータス、そして自社で決める返信期限を持たせます。

出典