Claude Opus 5.5とClaude Fable 5.1は能力水準が近く、両者を分ける決定的な違いは純粋な知能ではなく、価格とAPIの挙動です。Opus 5.5は入力100万トークンあたり4ドル、出力20ドルであるのに対し、Fable 5.1は10ドルと50ドルで、約60%高くなります。Opus 5.5はAnthropicが公開したベンチマークの大半でFable 5.1を上回り、トークン生成も約30%高速です。Anthropic自身が推奨するルールは、まずOpus 5.5から始め、Opusが長い問題を解決できないときや重要な条件を何度も見落とすときに限ってFable 5.1に移行する、というものです。

項目ごとに1行で見る違い

項目Claude Opus 5.5Claude Fable 5.1
APIのモデルIDclaude-opus-5-5claude-fable-5-1
リリース日2026年9月22日同じ世代のより早い時期
価格(100万トークンあたり入力 / 出力)4 / 20ドル10 / 50ドル
キャッシュ読み取り0.20ドル0.25ドル
コンテキストウィンドウ1Mトークン1Mトークン(デフォルトでもある)
最大出力128Kトークン(ベータヘッダー付きのBatchで300K)128Kトークン
デフォルトのeffortレベルmediumhigh
知識のカットオフ2026年6月それより前
Priority Tier非対応非対応

料金の詳細と、トークン単価が隠しているもの

AnthropicはOpus 5.5の料金をOpus 5と比べてほぼすべての項目で20%引き下げ、キャッシュ読み取りは60%引き下げました。

項目(100万トークンあたり)Opus 5.5Opus 5変化
入力4ドル5ドル-20%
出力20ドル25ドル-20%
キャッシュ書き込み(5分)5ドル6.25ドル-20%
キャッシュ書き込み(1時間)8ドル10ドル-20%
キャッシュ読み取り0.20ドル0.50ドル-60%
Batch API(入力 / 出力)2 / 10ドル2.50 / 12.50ドル-20%

具体例を挙げると、入力20,000トークン、出力5,000トークンのリクエストは、Opus 5.5で0.18ドル、Opus 5で0.225ドル、Fable 5.1で0.45ドルとなり、約2倍半の差です。サウジ・リヤルでは、入力100万トークンがOpus 5.5で15 SAR、Fable 5.1で37.5 SARです。

しかし、トークン単価がそのままコストになるわけではありません。Anthropicによれば、典型的なワークロードはOpus 5.5のほうがOpus 5より約40%安く済みます。モデルがより少ないトークンでタスクを完了するためです。逆方向の話として、独立した分析では、最大effortのOpus 5.5はタスクあたり約119,000の出力トークンを消費することがわかりました。この大きな数字は低い価格で相殺されます。結論として、100万トークンあたりの価格ではなく、タスクを完了するためのコストを測るべきです。

性能:公開された数字が示すもの

ベンチマークOpus 5.5Fable 5.1Opus 5GPT-6 Astra
Terminal-Bench 4.0:ターミナル作業66.4%55.8%52.3%57.9%
FrontierCode v1.1:既存プロジェクトへのコード統合54.4%50.3%48.0%53.3%
CursorBench 4.0:コードエディター内での編集57.8%51.8%——
OSWorld 2.0:コンピューターとインターフェースの操作81.8%80.7%74.0%73.5%
AutomationBench:業務ワークフローの自動化40.0%31.4%26.9%41.4%
Terminal-Bench-Science:科学タスク58.7%52.6%29.0%64.6%

そして、Anthropicが自社の表と一緒に公開した注意書きは、表そのものより重要です。この水準の能力では、ベンチマークの差は実世界での違いを示す指標として信頼性が低くなっていることがわかりました。私たち自身の利用では、Opus 5.5とClaude Fable 5.1の差はこれらのスコアが示すより小さいのです。両方のモデルを販売している企業が、表を文字どおりに読まないよう伝えているわけです。

リードが絶対的ではない点にも注意してください。GPT-6 AstraはAutomationBenchでOpus 5.5を上回り(41.4%対40.0%)、Terminal-Bench-Scienceでは明確に上回っています(64.6%対58.7%)。一方、Opus 5.5はターミナル作業とコンピューター操作でリードしています。

では、Opus 5.5とOpus 5の違いは?

これは同じファミリー内でのアップグレードの問題で、Fable 5.1との比較とは異なります。ここでは2つのファミリーから選ぶのではなく、1つのファミリーの中で移行するのです。差はバージョン番号から想像するより大きなものです。

項目Opus 5Opus 5.5変化
価格(入力 / 出力)5 / 25ドル4 / 20ドル-20%
キャッシュ読み取り0.50ドル0.20ドル-60%
デフォルトのeffortレベルhighmediumより安価なデフォルト設定
出力の生成速度基準30%以上高速+30%
Terminal-Bench 4.052.3%66.4%+14.1ポイント
AutomationBench26.9%40.0%+13.1ポイント
Terminal-Bench-Science29.0%58.7%ほぼ倍増
OSWorld 2.074.0%81.8%+7.8ポイント
GDPval-AA v2.1(知的業務、Elo)17081846+138

コストを試算するなら最も重要な一文はこれです。Anthropicは、medium effortのOpus 5.5が、コーディングと知的業務の評価でhigh effortのOpus 5と同等以上の結果を出すとしています。高価な設定の結果を、より安く速い設定で得られるわけです。これが20%の値下げに加わって、典型的なワークロードで40%節約という主張の根拠になっています。

Anthropicの発表で最もわかりやすい例は、200,000行のコードベースの監査と修復で、Opus 5.5は3時間未満で終えたのに対し、同じタスクにOpus 5は20時間以上かかったというものです。

その一方で、本番環境を移行する前に注意すべき変更が2つあります。Opus 5ではeffortレベルがhighまでならthinkingの無効化が受け付けられていましたが、5.5ではまったくできなくなりました。また、旧来のコンピューター操作ツールは非推奨になりました。Opus 5は引き続き提供されており、既存システムに対するAnthropicの指針は、切り替えてから問題に気付くのではなく、切り替える前に自社の保存済みサンプルで5.5をテストすることです。

技術的な違いの深掘り:実際にコードを変えるもの

多くの比較はスコアで終わります。しかし本番環境でシステムを止めるのはAPIの挙動であり、ここでの違いは現実的で、見落とすと高くつきます。

1. thinkingはもうオフにできない

Fable 5.1ではthinkingは常にオンです。thinkingをdisabledとして送ると400エラーが返り、従来のbudget_tokensパラメーターも同様です。Opus 5.5でもthinkingはもう無効化できません。正しい調整手段は、lowからmaxまでの5段階を持つoutput_config.effortで深さを制御することです。実際には、2025年頃のモデル向けに書かれ、thinkingを無効化したり思考トークンの予算を設定したりするコードは、アップグレードした途端に壊れます。

2. 生の思考の連鎖は返されない

受け取るのは、空の思考ブロック(デフォルトのomitted)か、displayをsummarisedに設定した場合の要約された思考ブロックです。デフォルトのままユーザーに推論をストリーミングすると、長い沈黙のあとに回答全体が一度に表示されることになります。Fable 5.1だけが、ツール呼び出しの合間に短い進捗メモを返す3つ目のベータモードを備えています。

3. ツール呼び出しの強制はFable 5.1で拒否されるようになった

tool_choiceの値anyとtoolはFable 5.1で400を返し、ツール使用の強制はOpus 5.5の破壊的変更にも含まれています。代替策は次のとおりです。tool_choiceをautoのままにしてツール名を明示した指示を与える、スキーマに沿った引数を保証するためにツールでstrictを有効にする、あるいは呼び出しの強制が単にJSONを受け取るための手段だったなら構造化出力を使う、という方法です。

4. 思考ブロックは会話の状態に結び付いている

これはチームを最も驚かせる点です。思考ブロックは、それを生成したモデルと会話の順序に結び付いています。履歴の以前のターンを編集すると後続の思考ブロックは無効になり、2026年8月31日以降に作成されたアカウントでは、サーバーはそれを黙って無視するのではなく400を返します。エンジニアリング上の意味は、オーケストレーターは履歴に追記するだけで、決して書き換えてはならないということです。会話を圧縮したり、古いメッセージを削除したり、以前のターンを編集したりするロジックは、アップグレード前に見直す必要があります。

5. refusalという新しい停止理由

モデルはエラーを発生させる代わりに、停止理由refusalとそのカテゴリーを付けてHTTP 200を返すことがあります。停止理由を先に確認せずにレスポンスの内容を読むコードは空のテキストを受け取り、ユーザーには障害として見えてしまいます。サポートされている対処法は、サーバー側のパラメーターfallbacksで、同じ呼び出しの中で同じリクエストをフォールバックモデルで再実行します。

6. データ保持:技術ではなくコンプライアンスの問題

Fable 5.1は30日間のデータ保持ポリシーを必要とし、Anthropicの明示的な許可がない限りデータ保持ゼロでは利用できません。そうでなければリクエストは400で失敗します。これは、データを保持しないという要件のもとで個人データを扱うサウジアラビアの組織にとって、現実的な制約です。対照的に、Opus 5.5は初日からAnthropic API、Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundryで提供されました。

7. アップグレードを壊す細かな点

  • 旧来のコンピューター操作ツールcomputer_20251124はOpus 5.5で非推奨です。computer_toolset_20260801に移行してください。
  • アシスタントメッセージのプリフィルは両モデルとも拒否されます。
  • temperatureやtop_pなどのサンプリングパラメーターは、このクラスのモデルでは削除されました。
  • デフォルトのeffortレベルが異なります。Opus 5.5はmedium、Fable 5.1はhighなので、デフォルト設定のまま両者を比べるのは、そもそも公平な比較ではありません。

Anthropicが公開した実世界での実績

  • 680,000行のコード移行を、1人のテスターが1日足らずで完了。
  • 200,000行のコードベースの監査と修復を3時間未満で完了。同じタスクにOpus 5は20時間以上かかった。
  • HAProxyをCからRustへ翻訳:Opus 5.5で9.5時間、Fable 5.1で12時間、コストは51%低い。

そして、どのベンチマークも測らない変化があります。Anthropicは、ユーザーがClaudishと呼ぶ文体、つまり水増し、前置き、余計な専門用語に対処しました。モデルは今では要点から書き始め、ユーザーの指示により忠実に従います。顧客向けコンテンツに使う人は、表のどの数字よりもこれを実感するでしょう。

使い分け

状況モデル理由
ほとんどの業務のデフォルト:文章作成、分析、コーディングOpus 5.5大半のベンチマークで上回り、価格は60%安い
文書のレビュー、バージョンの比較、スクリーンショットの読み取りOpus 5.5Anthropic自身が推奨する出発点
大規模なコードベースで何時間も作業するコーディングエージェントOpus 5.5ターミナルとエディターでの作業で明確にリード、タスクあたりのコストも低い
effortを上げてもOpusが解決できない長い問題Fable 5.1価格差に見合う唯一のケース
Opusが重要な条件を何度も見落とすタスクFable 5.1絡み合う制約に対するより深い推論
Opus 5で安定稼働している既存システムOpus 5のまま、その後Opus 5.5をテスト本番環境を移す前に保存済みサンプルで比較する
データ保持ゼロが求められる環境Opus 5.5Fable 5.1は30日間の要件を免除するために明示的な許可が必要

アップグレード前のチェックリスト

  • コード内でthinkingを無効化したり思考トークンの予算を設定したりしている設定をすべて探し、effortレベルに置き換える。
  • anyまたはtoolに設定されたtool_choiceを探し、strict付きのautoに変更する。
  • 会話管理のロジックが履歴に追記するだけで、以前のターンを決して編集しないことを確認する。
  • 内容を読む前に停止理由を確認し、refusalの場合に備えてフォールバックモデルを有効にする。
  • アップグレード後にeffortを再調整する。デフォルトが変わったため、古いモデル向けに調整した設定はもう合わない。
  • 1つのサンプルではなく、自社業務の実際のタスク20から50件で測定する。初回成功率、所要時間、トークン数、人の介入が必要だった頻度を見る。

サウジアラビアで開発している場合の意味

実務上のポイントは3つです。第一に、2つのモデルの価格差はプロジェクト全体の採算を左右するほど大きいということです。月に2億の入力トークンと3000万の出力トークンを消費するシステムは、Opus 5.5で1,400ドル、Fable 5.1で3,500ドル、つまり約5,250 SAR対13,125 SARです。第二に、データが個人データ保護法(PDPL)上の個人データに当たる場合、Fable 5.1のデータ保持要件は、契約上の約束をする前に法的な確認を受けるべきです。第三に、この世代の破壊的変更は、私たちが繰り返し述べているルールを証明しています。モデルは設定値であり、コードに刻み込まれた決定ではありません。

アプリケーションとモデル提供者の間に置くこの分離レイヤーこそ、Origamiが顧客のために構築しているものです。これにより、モデルの切り替えは作り直しのプロジェクトではなく、5分で済む運用上の判断になります。

まとめ

現時点ではOpus 5.5が合理的なデフォルトです。公開ベンチマークの大半でリードし、トークン生成は約30%速く、Fable 5.1より約60%安価です。Fable 5.1は、自社のテストでOpusの能力を超えると証明された特定の問題のための切り札として残ります。そして判断はベンチマークの表からではなく(Anthropic自身が差は見かけより小さいと述べています)、自社のタスクでの測定から下すべきです。

出典:2026年9月22日付のAnthropicによるClaude Opus 5.5の発表、および数字と引用についてはVentureBeatとThe Decoderの報道、APIの詳細はAnthropicの開発者向けドキュメント https://docs.anthropic.com によります。価格と数字は2026年9月23日時点で公開されていたものであり、変更される可能性があります。